Keyboard shortcuts

Press ← or → to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

第5部:調べる・確かめる

ここからの二つの部は、研究を形にするための技法です。まずこの部で、問いを検証できる形にして確かめるところまでを扱い、続く第6部で、その結果を論文として書くところを扱います。

第3部では研究実践の流れを地図として眺めました。この部では、その地図のなかで繰り返し使う道具を、一つひとつ取り出して見ていきます。

技法は「概念を贈るための道具」

一つだけ、先に書いておきます。僕は、研究スキルを「きれいな論文を仕上げる技術」とは捉えていません。

あなたの発見を、一つの概念としてはっきり表現し、適切な名前を付けて他者に渡す。その営みを支えるのが、ここで扱う技法たちだと思っています。メソッドの選択は、概念を検証可能な形で支える土台。データ分析は、概念を量的・質的に裏付ける手段。そして次の部で扱う執筆技法は、概念を明確に定義し、名付ける言葉の仕事です。

技法はあくまで道具ですが、道具が手に馴染んでくると、研究で見えてくる景色も変わります。最初は不器用でも、繰り返し使ううちに身体化されていく。そういうものだと思って、気長に付き合ってみてください。

必要な章から拾い読みしてもらって構いません。方法選びで迷ったら「メソッドの書き方」、実験を組む段になったら「実験・調査を設計する」というふうに、困ったタイミングで開いてください。